東京支部ゴトウのZAT的徒然思考 #3 『何だかわからないものについて③』

何だかわからないものについて②』の続きです。

中国武術の秘伝と言われる「発勁」を体験した時、その実演した方が「これは気の力です」と言ったとします。
なんだかわからない状態で
「マジ!?これが気か!」
となるか
「えー、気なんて嘘くせえなあ。ふっ飛ばされた事は事実だけど何かのトリックじゃないのか…」
と、あなたはどちらを考えますか?

先に答えを明かしてしまいますが、「発勁」は物理技術です。
しかし、質量×距離にて破壊力を生み出す事が常識だと思っていると、別のロジックなので、体験した人は混乱して正しい判断を出来なくなってしまいます。
そこにもっともらしく、「気のパワーです」と言われて、是に魅力を覚えてしまうと、ちょっと違った第一歩を踏み出してしまう事になりかねません。

「発勁」については、日本に紹介された時、秘伝技術である事からあまりに神秘的に紹介されてしまったため、現在まで「触れずに投げる」とか「触れずに倒す」とか、更にメディアや漫画の影響も加わり、そういった神秘的であるという下地が出来上がりすぎてしまっています。そうした要素が、人を神秘やオカルトに引っ張ろうとする要素になってしまっているかも知れません。


で・も・で・す・ね!


その原理原則を知ってしまうと、ちょっとした訓練で誰もが使えてしまうものなんです。
これをどうして神秘的な事のようにしたり、奥儀とか言って大仰にもったい付けているのかと言えば、他者他流派には知られたくない○○拳の企業秘密だって事なんですよ。
徒手空拳で闘争をしていた時代には、自分の技術のキモが他者に知られちゃう事は、その対策がなされて自分が負けてしまう(殺されてしまう)事になるかも知れないからです。
なので、得体の知れない物としてミステリアスなベールに包み、多くの人間には伝承させず、その流派一門の中でも、真に伝えて良い人にしか継承されてこなかった、秘匿性の高い技術なのです。
ちなみに、この技術は現代においては、一部の武術家とされる先生方が、飯のタネにしていると事でもあります。派手なデモンストレーションをして高額なセミナーをやっている姿は、もはや武術の本質からは離れていると思いますけど。

ちょっと話題が逸れ気味でしたが、


続くぅ!



【東京支部ゴトウのZAT的徒然思考】
#1 『何だかわからないものについて①』
#2 『何だかわからないものについて②』